マーケティング戦略とは?ビジネスで勝つための設計図作りはできているのか?
世の中は、マーケティングであふれています。
例えば、雑誌、ブログ、Youtubeなどにもマーケティングが存在しており、その情報を受け取って動きます。冬のデートの定番はイルミネーションやプロジェクションマッピング鑑賞が定番になった事もマーケティングです。そして、名所を調べるのに、ランキングを参考にしますが、ここの順位にもマーケティングが存在します。
店舗経営やコンサルティングを展開する際にもマーケティングが特に重要になります。どの店舗やどのコンサルティング会社を選ぶのかが消費者に選択肢があるからです。当然、自社を選んでもらえなければ、新規の顧客獲得がうまくいかなくなり、結果として事業の存続に必要な売上を得ることができないからです。
ここでは、マーケティングの重要性と経営者やマーケッターが施策を実施する際に立案するマーケティング戦略について説明していきます。
マーケティングとは?
「集客とマーケティングの違いとは?集客とマーケティングは切り離しては考えられない存在」でも説明していますが、マーケティングとは、”商品開発から流通、販売、フィードバックのすべてのビジネスの流れを最適化すること”を示しています。それに対して、集客とは、開発した商品やサービスの魅力を市場に伝えることで、人が集まりやすくしたり、購入が発生しやすくするようにすることを指します。
個人的感覚ではあるのですが、Webマーケティングという言葉はありますが、商品やサービスにフィードバックするグロースハックが機能していればそれは、Webマーケティングだと思います。そうではなく、広告の改善のみで販売促進を実施している場合は、WebプロモーションやWeb集客というのが妥当だと思います。
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ただし、最新は商品やサービスがそもそも的外れの場合売れることがありませんので、商品開発までフィードバックすることが集客でも普通になっています。
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ちなみに、マーケティングの定義はビジネスと消費者の関係性やライフスタイルの変化によって変化していますし、マーケティングの学者によって定義も異なっております。
供給が需要に圧倒的に追いついていない時代は、商品の供給が中心になっていましたし、今のように社会性や関係性について微塵も取り上げられていませんでした。
また、マネイジメントの父であるピータードラッガーは、「マーケティングとはセリング(販売)を不要にすること」と定義しましたし、マーケティングの父であるフィリップコトラーは、「マーケティングとはニーズに応えて利益を上げること」と過去に定義していました。
ちなみに、私がマーケティングを定義する場合は、「情報を駆使しうまく立ち回ること」と説明しております。ビジネスにおいて持っている資源をフルに活用し、有利な状況を作り上げることがマーケティングの最大の醍醐味だと思います。
マーケティング戦略とは?
マーケティング戦略とは、マーケティング全体の流れを明確に示したものであり、マーケティングの設計図のようなものです。このマーケティング戦略がないと、一つ一つの施策が思いつきになってしまい、一つの目的を達成するためのものではなくなってしまいます。
アカデミックなマーケティング戦略の設計方法はある程度決まっているのですが、成功法則に基づいて形になっているマーケティング戦略にはテンプレートが存在します。中小企業の場合は、成功法則に当てはめることで早い成長が望めます。有名な戦略を紹介します。
①ランチェスター戦略
マーケティング戦略の中でも有名な地域密着型のビジネスを仕掛ける際の成功法則です。元々は戦争で勝つための戦略をビジネスで当てはめたもので、業界2位以下の弱者が生き残るための戦略である弱者の戦略が有名です。
この戦略を元にしているとされるのが、HISや高級路線で他の家具店と競争回避を行っていた昔の大塚家具です。
ランチェスターの戦略には、5つの原則があります。
①局地戦②接近戦③一騎討ち戦④一点集中主義⑤陽動戦
地域密着型のビジネスを実施する際は、ランチェスター戦略を原型にして、ブランディングやWebマーケティングのテクニックをミックスさせたマーケティング戦略を作ります。
基本的に各地の人気店が展開する場合は、ランチェスター戦略の弱者の戦略に基づいた出店方法や商品開発を行います。
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B01JADEE5O” title=”まんがで身につく ランチェスター戦略―――小が大に勝つ方法(Business ComicSeries)”]
ランチェスター戦略の書籍はたくさんありますが、仕組みを理解する上では漫画で十分です。また、事例集として、ランチェスター戦略の関連書籍を手に取ると良いでしょう。
②ブルーオーシャン戦略
ランチェスター戦略のように多くの事業では、当然のように競争が発生します。開拓済みの市場であるレッドオーシャンではなく、技術革新を通して、未開拓の市場を作りだすことをブルーオーシャン戦略と呼びます。
大きな利益を獲得できることが期待できますが、他社が容易に参入できてしまうのでは優位性がすぐに失われる欠点があります。
③フリーミアム戦略
顧客がその商品を購入することが躊躇う最大の理由は、その商品やサービスの利用体験がないからです。そこで、「基本料無料」や「サンプルプレゼント」など無料で利用体験をばら撒き、体験価値が形成された後に、セールスを実施するのがフリーミアム戦略になります。
商品で言えば、街頭などで実施されている健康ドリンクの試飲がわかりやすいです。実際に飲んでもらうことで、味や効果を実感してもらいます。サービスでは、オンラインゲームがわかりやすいです。基本無料で遊んでもらい、「もっと強くなりたい」「面白い」と感じた人に課金してもらいます。
マーケティング戦略を立てる基本的な考え方
マーケティング戦略には基本的な立て方があります。
[st-step step_no=”1″]市場調査(マーケティングリサーチ)[/st-step]
勝負するための市場を選択する時に、必要なことは、どのような人々が暮らしていて、どのようなライフスタイルを送っていて、そこにはどのような競合および代替サービスが存在するのかを調査します。
表面的な統計、例えば人口だけで見ると、実はその地域の平均世帯収入が低く、提供する商品やサービスに十分な理解がないため、必要以上の安売り競争に巻き込まれてしまう危険性があります。
ニーズが十分に存在し、そのニーズが将来的に有望であるのかも市場を選択する基準の一つでもあります。
ライフスタイルや世帯収入をある程度わかっていないとそこでの勝負は非常に怖いと思っています。価値観に反するサービスや店舗の開業は、逆風の環境でのマーケティングを実施することになり、コストもかかります。マーケティングの予算に制限がある中小企業がやることではありません。
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[st-step step_no=”2″]市場細分化(セグメンテーション)[/st-step]
本当にその商圏で勝負ができるのかを判断する材料として、潜在的ニーズを含む見込み客がどの程度その商圏内に存在するのかを目処付けすることです。
市場細分化は、見込み客になりうる人々の集合がどのくらいの規模であるのか算出するための手段です。
セグメンテーションには、地理的変数、人口統計的変数、サイコグラフィック変数、行動変数があります。
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地理的変数:都道府県、天候、人口密度を基準にして細分化する方法
人口統計的変数:年齢、性別、世帯規模、世帯収入、職業などを基準にして細分化する方法
サイコグラフィック変数:社会階層、ライフスタイル、性格、価値観、購入動機などを基準にして細分化する方法
行動変数:製品に対する知識、利用態度、使用場面、反応を基準にして細分化する方法
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ただし、都合の良い統計が転がっているわけではありません。また、全ての変数を同列として扱うことは現実的ではありませんので、優先度をつけて考えることがとても重要です。
そして、競合他社が参入をためらってしまうニッチな市場は、顧客を掘り起こすことが非常に難しいため、ある程度の市場規模が必要になります。例えば、特定の食材にこだわっている飲食店の場合、近隣のみをターゲットにしていては市場規模が十分ではないということがあります。この場合は、商圏を広くとり、多少遠くても来店が見込めるように、マーケティングを行います。
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[st-step step_no=”3″]ターゲティング[/st-step]
ターゲティングは、対象顧客を設定するものであり、商品やサービスの開発はこれありきのものです。そのため、個人的には、マーケティングリサーチよりも先に実施すべきものではないかと思っています。
対象顧客の設定には、具体性をもたせた方が良いことが知られています。
例えば、上記の画像は、共に30代女性です。ライフスタイルが明らかに異なっており、価値観までも違うと考えられます。この場合、同じ対象顧客と認識する方が困難です。
この場合は、ペルソナの設定を行います。ペルソナとは、仮の人格のことで、対象顧客でもっともありがちな人物像を作り上げます。ペルソナを設定する目的は、マーケティングに着手するチーム全員が、対象顧客のイメージを共通にすることです。
この時、自分のバイアスや理想の顧客像を反映しすぎないようにするため、複数の人々で話し合って、ブレインストーミングすることが望ましいです。
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ニッチなターゲティングをしてしまうと、対象顧客の数を自分から減らしてしまい、セールスがしづらくなってしまいます。どこに見込み客がわからないようなターゲティングの設定はしないことを前提とします。
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[st-step step_no=”4″]ポジショニング[/st-step]
今度は、市場ではなく、競合がその市場に対してどのような位置づけなのかを定義します。立ち位置を定義することをポジショニングと呼び、この目的は共食い(カニバリゼーション)を防ぎ、無意味な顧客の取り合いを回避することやニーズに対して、競合が対応できていないポイントを見つけ出すことにあります。
例えば、飲食店の場合、「美味しいものを食べる」だけの目的ではありません。会議や接待を行う目的でも活用しますし、最近では法要は店で行う家庭の方が多数派です。つまり、それらに対応するためのスペースとしての飲食店にも需要があります。
周囲がこのニーズに特化していない中で、いちはやく利便性の高いスペースとプランを作った飲食店は、企業に対して提案を実施し、そこからの注文を独占することに成功するという流れになります。
ただし、ポジショニングは、儲かっていると周囲に分かれば、参入を呼び込みます。食べ放題のプランは昔は珍しかったですが、今は大通りに行けば、食べ放題プランのお店ばかりです。
長期に渡り、そのポジションで儲けるためには、特許で仕組みを守るなど参入障壁を高くするしかありません。
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[st-step step_no=”5″]マーケティングミックス(製品、価格、流通、プロモーションをどうするのか?)[/st-step]
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マーケティングミックスというものは、マーケティングにおける重要な要素に分解して、それぞれの施策を具体化するフレームワークのことを指します。マーケティングミックスには、4Pの他に、4Cと共生の4Cがありますが、ここでは4Pを取り上げます。
[st-point fontsize=”” fontweight=”bold” bordercolor=””]プロダクト(製品、サービス)[/st-point]
製品やサービス、アフターサービスまでを定義します。
基本的に特色のあるものが良いとされていますが、戦略的な低価格競争を仕掛ける場合は、特色をつけずに幅広い顧客に受け入れられるものに設定します。ただし、低価格競争自体が、仕入れに支えられる必要があり、共同仕入れを実施している大手チェーン店に最終的に負けてしまいます。
基本的に独自の強みを意識したものが小資本ビジネスの戦い方ではありますが、ニーズと乖離すると理解できる人が少数派になり、集客が難しくなります。
[st-point fontsize=”” fontweight=”bold” bordercolor=””]プライス(価格)[/st-point]
価格の決定は、実は客層をコントロールします。
デフレの環境で人気を集めやすいエブリデーロープライスのような戦略は、モラルの低い客層も吸収してしまいます。例えば、500円クーポン冊子に広告を出すと、口コミが大量にグーグルマイビジネスにつきますが、質の悪い口コミも大量についてしまいます。また、この層は、安さが目当てであるため、通常料金では再度購入するということがありません。
客質をよくしたい場合は、高い金額のサービスを提供する必要があります。もちろん、高い価格に見合った品質も必要ですし、顧客を獲得するためのプロモーションに相応の金額を投資しないと集客の部分で失敗してしまうことになります。
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[st-point fontsize=”” fontweight=”bold” bordercolor=””]プレイス(流通・チャネル)[/st-point]
売り場や売り方選びもマーケティングでは重要なポイントです。
例えば、1万円のケーキを一般的な年収層が住んでいる住宅街で販売しようと考えません。対象顧客が集まり、違和感なく商品を購入する環境に流通させた方が製品やサービスは売れやすくなります。1万円のケーキを購入する客層となると、年収層が高い住宅街、もしくはセレブが集まる町に限定されます。
また、最近はネット通販で販売することが普通になっています。お客様に届けるまでの流通経路を確保することもマーケティングの重要要素になります。
農産物の販売の場合、市場に流通させることで、購入者が値段を決めて購入します。そのため、購入者がその農産物の価値を理解しなければ安い価格で買い叩かれてしまいますし、同じような農産物が多く出荷される市場では高値をつけることが難しいです。そこで、市場をわざと他が出していない、そして比較的目利きの買参人が参加する市場を選ぶことで、高値をつけることができますし、品質が満足のいく水準であれば、ブランディングにも繋がります。
流通の方法次第で、その製品のイメージをつけることにも繋がります。
例えば、百貨店で取り扱われているブランドの衣服は高級なイメージがつきます。かたや、安売り店で取り扱われているブランドの衣服はチープなイメージがつきます。
[st-point fontsize=”” fontweight=”bold” bordercolor=””]プロモーション(広告・販売促進戦略)[/st-point]
ご自慢の製品も誰にも知られなければ購入はされません。
多くの製品、サービス、店舗の売れない原因は、認知度が不足していることが挙げられます。
ただし、無闇に広告を打って売れる時代でもありませんし、認知度を高めたところで売れるわけでもないことが悩まれるところです。
そのため、プロモーションの手法は、その時代の環境に合わせて変化し、様々なアイデアが加えられたことで、多様化しています。
今後の成長のために押さえておきたいプロモーション用語を後述したいと思います。
[st-step step_no=”6″]実行[/st-step]
マーケティング戦略を構築したら、その戦略を元に行動をする必要があります。プラン通り実行しても成功しない場合があります。データ不足の環境の中では、実際思っていたことと違っていたということは度々発生するものです。だからと言って、小さな問題で実行をやめてしまえば結果を導きだすことはできません。そのため、目的の達成を意識して、とりあえず実行をやりきることがまず重要になります。
やりきりもせずに結果が出たと言い切ってしまうのは、成長を止めてしまう直接的な原因にも繋がります。理系の大学の化学系の学科であれば、一つの論文を書くのに、複数回の同じ結果がでるまで同じ実験を繰り返します。そこまでしなければ、出た結果は思い過ごしとしか評価されないからです。マーケティングの場合でも同様のことが言えます。
[st-step step_no=”7″]分析[/st-step]
設定した指標に対しての達成率で評価をしますが、結果だけみて一喜一憂するのはナンセンスです。
マーケティング戦略で設定したことと実際に生じたことには差があることはしばしばあります。ターゲティングした対象顧客の消費者行動が思ったことと違っていた場合は、実際に発生した現象を元に改善を実施します。
絶対押さえておきたい!押さえておきたいマーケティング用語
今後のマーケティングでとても重要なマーケティングの用語を解説します。
特にマーケティングの現場に変化を与えるものですので、ぜひ、積極的に戦略に組み込むことも検討していきたいものです。
LTV(ライフタイムバリュー)
利益を最大化するためには必要な概念です。
ビジネスは、大きく分けると2通りに分かれます。
1回の購入を促すものと、継続的な関係性で購入の機会を作るものです。
利益額を大きくするためには、継続的な関係性を購入の機会を作るビジネスの方が、実は良いです。
これは、3回目以降の購入に至る販売促進費用が、1回目の購入を促す販売促進費用に対して、20%ほどで収まるということ(1:5の法則)や良い口コミの発生は、3回目以降の顧客より発生しやすいものであることがわかっているからです。
LTVとは、一生涯でその顧客が自身のビジネスに貢献した価値のことを意味します。LTV最大化を行うためには、関係性を意識した施策の実施や教育が必要になります。そのため、利益額の大きなビジネスモデルを作り上げるためには、関係性を意識したもので考える必要性があり、CRM(関係性マーケティング)ツールの導入を考えます。
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LTV(ライフタイムバリュー)とは?あらゆるビジネスに必要になっているビジネス成長の土台
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インサイドセールス
インサイドセールスとは、会議システムを導入することで、説明、クロージング、データの共有をオンラインで実施してしまいます。
このメリットは、商圏を定める必要とせずに、往訪と同じようなコミュニケーションを行える点です。
ベルフェイスであれば、ソフトウェアのインストールなしに必要な機能を備えたインサイドセールスの実施を行うことができます。
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コンサルタントやコーチの働き方を変えるインサイドセールスシステム「ベルフェイス」
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最終更新日 : 2020年3月12日