SNS集客のコツとは?各SNSの特徴と集客の成功事例を紹介

ウェブマーケティングにおいて、集客ができるSNSアカウントを育成することがとても重要になりました。SEO対策では、特にGoogleのアルゴリズムが知名度の高い事業者をランキング上優遇するようになったこともあり、知名度が低くても太刀打ちができる集客の手法が限られるようになってきたからです。
ただし、SNSは何も考えずに投稿をしていても集客をすることができません。そのため、やってみた企業からは、「活用する方法がわからない」「売上アップに繋がっている実感がない」など悩みが尽きないのも現状です。
この記事では、SNS集客をする上でのコツやそれぞれのSNSの特徴を解説していきます。

SNS集客がウェブマーケティングでかなり重要視されるようになりました。しかし、以下のような悩みを抱えてしまいがちです。
- どうすれば集客力を高めることができるかわからない
- SNSを十分に運用してくれるスタッフがいない
SNS集客とは?
SNS集客は、SNSユーザーの中のそのビジネスのターゲット層に、購入・来店・取引の動機になる情報をSNS上で提供することで、集客する方法のことを指します。
SNS集客の特徴は、直接見込み客とコミュニケーションを取ることができることや、他の集客方法に比べると効率的でコスパが良いことが挙げられます。
これは、各SNSには、詳細なエリア設定を中心としたターゲティングができる広告が用意されていることや、広告閲覧を契機にフォロワーになってもらうことで、通常の投稿で集客ができるようになるからです。
SNS集客は、特に店舗の集客に向いています。飲食店、美容室、小売店などは必ず運用するべきでしょう。
SNS集客に取り組むメリットとは?
SNS集客に取り組むことは、リアルタイムな情報をいつでも見込み客やリピーター向けに情報を発信することができる環境を手にします。公開された環境で情報を発信しますので、口コミに派生し、新規の集客にもリピーター向けの集客にも効果があります。
また、検索エンジンとローカル検索のアルゴリズムには、知名度が含まれており、特に重要視されています。つまり、SNSなどでも話題になり、店名やサービス名などの指名検索をされることで、SEO対策やMEO対策にも間接的に効果を発揮します。
リアルタイムに情報を発信できる
店舗の現在の情報を発信することができるのがSNSです。
アクティブなフォロワーは、投稿直後に情報を確認するため、タイムセールの予告などにも使うことができます。
ユーザーとのコミュニケーションが簡単である
SNSは、双方的なコミュニケーションをすることができます。SNSユーザーからのいいねやリプライなどで反応を客観的に見ることができます。そのため、反応の良い投稿があれば、その投稿の傾向を分析し、新しい投稿に反映させることができます。
また、投稿をそのまま広告に出稿することができますので、手軽にプロモーションをすることもできます。
広告による訴求が簡単である
特に店舗の集客では、来店可能なエリア(商圏)が決まっています。そのため、広告でエリアを指定することが重要になります。
SNS広告の運用はどれも簡単で、原則としてスマホから操作をすることができます。投稿を広告することができるため、集客力のある投稿を出稿することで、他のウェブ集客に比べると、簡単に集客をコントロールすることができます。
集客に適したSNSはどれなのか?
集客に使うSNSを選択するポイントは、利用率の高さを参考にする必要があります。また、10年後も考えた時に、特に注目した方が良いのは、10代〜30代の利用率の高さです。(この世代が10年後は、20代〜40代になるため)

令和4年度の総務省の調査によると、10代〜30代の利用率が高いのは、X(Twitter)、Instagram、TikTok、Youtubeです。LINEはリピーター向けの集客に使うため、用途が異なるため割愛します。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)の日本におけるアクティブユーザー数は、2024年4月時点で6,928万人です。Xは、その日に起こったニュースなどを知ることができるため、情報を収集したいユーザーが多く利用しています。
- Xでは、テキスト、画像、動画をシェアすることができる。
- X広告では、性別、年代、興味関心のほかに市町村まで絞り込んで広告を出稿できる。
- リポストキャンペーンをすることで情報を拡散することができる。
- テレビとの相性がよくテレビ番組とのクロスメディアに向いている。
Instagramの日本における月間アクティブアカウント数は6,600万以上(2023年11月時点)です。Instagramは、画像や動画が中心のSNSであり、フォロー外の人にもリーチする発見などがあります。
- Instagramは、画像や動画をシェアすることができる。
- Instagram広告では、性別、年代、興味関心のほかに市町村よりも絞り込んだ広告を出稿できる。
- Instagramのハッシュタグで情報を検索する「タグる」などの消費者行動がある。
- 画像と動画で訴求することができるため、飲食店や小売店との相性がとても良い。
TikTok
2024年4月時点での日本国内のTikTokの月間アクティブユーザー数は約2,567万人とされています。また、2024年11月時点ではこの数が約2,800万人に達したとの報告もあります。これにより、TikTokは日本においても急速に成長しているSNSとして位置づけられています。
- TikTokは音楽などに併せたショート動画をシェアすることができる。
- 10代に高い人気を誇るため、将来の主力のSNSになる可能性が高い。
- 施術前と施術後を比較するショート動画が美容師との相性が良い。
- TikTok広告では詳細な絞り込みが可能である。
Facebookの日本国内のアクティブユーザー数は2,600万人以上です。この数字は2019年7月時点のものであり、それ以降Facebookは日本国内のユーザー数を公式に発表していません。
30代~40代のユーザーが多いですが、日本国内では利用者は、XやInstagramと比較すると少ないため、積極的な運用を行いたいSNSとしては優先順位が落ちます。
Youtube
Youtubeの日本国内のアクティブユーザー数は7,370万人以上です。この数字は2024年5月時点のもので、18歳以上のユーザーを対象としています。
Youtubeは、動画やショート動画のSNSで、全年代で使われています。動画は情報量が多いこともあり、例えば話題になっている取扱い商品の使い方を解説することにより、商品を検索した人にリーチすることになります。
SNS集客のコツとは?
SNSで集客ができるようにするコツは以下の4つです。
- SNS広告を使う
- 購入・来店動機になる情報をコンテンツとして扱う
- 投稿のタイミングと頻度には注意が必要
- エンゲージを獲得することも重要
SNS広告を使う
SNS集客のポイントは、広告の活用により集客をしながらアカウントを育成していくことです。SNSは、無料でも活用することができますが、この場合、ビジネスのターゲットに接点を持つまでの所要時間がかかり、場合によっては、「1年運用していても、SNSをしていることを知らなかった」と言われることもあります。
そのため、広告の運用を基本として、見込み客と積極的に接触し、フォローしてもらうことで、早期に、集客のできるアカウントの育成を行うことができます。
規模によります。ただし、一般的な店舗を想定すると、広告費は1日1,000円程度で考え、2万円〜3万円からでも良いでしょう。これを3ヶ月運用するだけで、無課金に比べると、かなり集客力に差が出ます。
購入・来店動機になる情報をコンテンツとして扱う
広告を使ってSNSでアピールしても、投稿している内容に何の魅力もなければ、実際の集客にも繋がりませんし、おそらくいいねすらつかないでしょう。そのため、来店動機を引き起こす集客力の高いコンテンツを作成することが重要です。
例えば、PizzaKtarouの場合では、ハンバーグを作っている動画をぐつぐつと煮込んでいる音込みで動画を公開しました。その結果、この次の日のオーダーはハンバーグに集約したそうです。
看板メニューを中心とした動画を使った訴求をすることで、SNSから口コミを発生させることも可能です。
投稿のタイミングと頻度には注意が必要
SNSでは、リーチする時間帯が異なり、また、投稿頻度が高いほど視認性が高まります。SNS集客代行系のサービスを見てみると、1ヶ月に2回程度の投稿では少なく、1週間に1~2回投稿の投稿は必須です。
また、ほとんどのSNSのおすすめのタイムラインのアルゴリズムには、新鮮な投稿を優先して表示するようになっています。多くの人がSNSをチェックしやすい時間にあわせた投稿をすると、リーチしやすいことを意味しますので、SNS集客では、投稿のタイミングも重要になります。
以下がほとんどのSNSでチェックされやすい時間です。
- 朝の通勤・通学時間(7時~9時)
- ランチタイム(12時~13時)
- 午後の休憩時間(15時~17時)
- 帰宅後のゴールデンタイム(20時~22時)
エンゲージを獲得することも重要
「SNS集客=フォロワーの獲得」のイメージが大きいですが、Xなどのアルゴリズムでは、フォローしなくても、いいね、リポストなどのエンゲージをしても、新しい投稿や過去の投稿がおすすめのタイムラインに表示されやすくなります。
そのため、SNSの運用では、これらのエンゲージがつきやすいように運用するのがポイントです。投稿する画像の見栄えやリプライに対して、愛想の良い返信をするなどの工夫が必要です。
大手企業のSNS戦略
各大手企業は、SNSを積極的に活用しています。それらの企業が何を行なっているのか分析することで、中小企業でもSNSを使った集客をすることができます。
マクドナルドのSNS戦略

X活用
マクドナルドは特にXに力を入れています。
- 810万人以上のフォロワーを獲得
- 毎日3〜4件の投稿を欠かさず実施
- 商品宣伝、キャンペーン、日常的な話題など多様なコンテンツを提供
- インパクトのある写真とキャッチーなコピーを使用
- スマートフォン向けに最適化された縦長の投稿フォーマット
Instagram戦略
- 2022年8月から運用開始、急速にフォロワー数を伸ばす
- ハッピーセットや子育て応援情報に特化した投稿
- ターゲットを絞った内容で、フォロワーの関心を引く
TikTok活用
- 若年層へのアプローチを目的に選択
- オリジナル楽曲(グラコロソング)を活用したキャンペーン
- 販売数の増加に貢献(前年比110%の実績)
AI技術の活用
- AIを使用したアニメーション制作など、最新技術を取り入れた投稿
- 賛否両論を呼ぶ内容で話題性を創出
スターバックスのSNS戦略

X活用
- 925万人以上のフォロワーを獲得
- 新商品案内や飲み方の提案など、有益な情報を発信
- ドリンクチケットが当たるキャンペーンなど、来店促進策を実施
Instagram活用
- 397万人以上のフォロワーを獲得(2025年1月時点)
- 新商品紹介、カスタマイズ提案、自宅で楽しめるメニューなど多様なコンテンツ
- 鮮やかな色使いと洗練されたビジュアルで統一感のある投稿
- 季節やイベントに合わせた世界観の演出
ローソンのSNS戦略

ローソンのSNS戦略は、多様なプラットフォームを活用し、効果的なコミュニケーションと顧客誘導を実現しています。
多様なプラットフォームの活用
ローソンは20以上のソーシャルメディアを活用しています。
- X(フォロワー数874万人以上)
- LINE(フォロワー数4378万人以上)
- TikTok
- YouTube
投稿戦略
コンテンツ最適化 | X:エンターテインメント性の高い投稿、新商品紹介 Facebook:商品紹介が中心、1日1〜2回の投稿に抑制 LINE:厳選された商品のみを紹介 Instagram:ビジュアル重視の投稿 |
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タイミングの最適化 | 11時頃を中心に投稿し、昼休み時のスマートフォン利用者にアプローチ LINEは特に11時〜11時30分頃に投稿 |
ビジュアル戦略 | 各SNSの仕様に合わせた画像サイズの最適化 拡散されやすさを意識した商品写真の撮影 動画コンテンツの活用(Vine、YouTube) |
キャラクター戦略
「ローソンクルー♪あきこちゃん」というキャラクターを全SNSで統一して使用し、親しみやすさを演出しています。
キャンペーン展開
- ハッシュタグを活用したキャンペーン(例:「#ローソンのロールケーキ食べたい」)
- Twitter Japanの広告メニュー「#クリスマスボックス」の活用
クロスメディア戦略
テレビとXを組み合わせた施策に注力し、特定商品の突然の需要増加に対応しています。
O2O(Online to Offline)戦略
SNSを活用してオンラインでの話題化を図り、実店舗への送客を促進しています。例えば、Xでリポストキャンペーンを行い、クーポンを配布して来店させています。コンビニでは、来店することで、ついで買いを誘発することができるので、来店数が重要指標となっています。
成功事例
- 「バスチー」の販売戦略:SNS映えを意識したネーミングとパッケージデザインにより、発売4ヶ月で1,900万個を売り上げる大ヒットを記録。
- Facebookクーポン活用:「からあげクン」半額券を30万人に配布し、17時間で配布終了。20%以上が店頭で引き換えられました。
ローソンのSNS戦略は、多様なプラットフォームを効果的に活用し、ターゲット層に合わせたコンテンツ最適化と、実店舗への誘導を重視しています。この戦略により、オンラインでの話題化と実際の売上増加を実現しています。
店舗のSNS集客成功事例
かちプロジェクトが助言、または、代行したSNS集客の成功事例です。
Facebookをカタログとして活用!客足が回復!

山形県小国町の菓子工房しばたでは、峠の町の大通りから外れたところに立地しています。隠しメニューとして、お絵かきするオーダーケーキを作成していました。ケーキごとに表情が異なっており、味のあるタッチであることからこのお絵かきケーキをフックにして集客することにしました。
そこで、Facebookページに作成したお絵かきケーキの画像をアップし、カタログとして活用しました。その後、知人を中心にFacebookを知らせることでお金をかけずに認知度を高めました。
その結果、若年者の子育て層から注文が増加し、客足が回復しました。顧客が増えるにつれ、さらにFacebook上にコンテンツが増加して、口コミで様々なご家庭から誕生日や記念日での受注が増加しました。
早期に取り組んで、それを周知したことで、サプライズケーキのプロフェッショナルとしてのブランディングに成功し、地方局の取材も受けました。
シズル感を煽って注文を集中
飯テロ系の画像は、Instagramを始めとするSNSでは人気のコンテンツです。特にシズル感あふれる料理の動画は注目され、食欲を掻き立てる効果があります。
PizzaKtarouは、山形県米沢市にある米沢スキー場のレストランです。オフシーズンは、ケータリングカーによる移動ピザ販売を行っている米沢市では知られている店舗です。店舗で提供している米沢牛ハンバーグがあります。ハンバーグのジューシーさを動画で伝えたところ、次の日からのオーダーが米沢牛ハンバーグに集中したそうです。
これは、動画をみた米沢スキー場の顧客が、ハンバーグが食べたくなって来店に至ったことになります。
X(旧Twitter)でファンを獲得
X(旧Twitter)は、ニュースやトレンドなどを閲覧することができ、共通の趣味など持っている人と接点を持ちやすいSNSです。
ゴールデンの時間帯の番組の舞台として採用されました。しかし、その番組のメインコンテンツは、芸能人同士のリアクションであることや高級レストランとして紹介されるため、顧客化がしづらいだろうということが難点でした。
そこで、テレビ番組とX(旧Twitter)は同時に閲覧される傾向があることに着目し、来店しやすい特別メニューを用意した上で、放送時間に、同時にX(旧Twitter)を運用し、番組終了と合わせてリーズナブルな金額で予約ができることを紹介しました。
その結果、多くのファンを獲得することに成功し、オフ会や家族などで特別メニューを予約する効果を獲得することができました。
SNS広告で魅力的なメニュー画像を積極的に配信
お店のSNSの運用で難しいのは、商圏内の人々にメッセージを届けることです。どのSNSでも、商圏内の人からフォローされなければ、集客に結びつく反応を取ることが難しいです。
そこで、SNS広告を活用します。SNS広告では、お店の宣伝をしつつ、近隣に絞り込んだ投稿に自然に溶け込む広告を配信することができます。
とある飲食店では、食欲をそそる魅力的な画像を複数用意し、そこにキャッチフレーズをつけました。広告の内容は飽きないように月に複数回変更し、商圏に絞り込んで広告を配信しました。
その結果、グルメサイトを凌ぐ来客数を作ることに成功しました。また、配信した広告ではエンゲージ(いいねやクリックなどの反応の総称)を稼ぐことができます。反応した人々にフォローを促すことで、SNSの情報発信力の向上に繋がりました。
SNS集客のテクニック
リポストキャンペーン
リポストキャンペーンとは、フォロー、引用、リプライなどのエンゲージをすることで、特定のキャンペーンに参加する権利を付与する仕組みのことを指します。
大手コンビニでは、新商品や季節の節目に行なっていることが多く、はずれなしの抽選に参加する権利を付与しています。これにより、実質全員に来店動機を付与するクーポンを配布しています。
リポストキャンペーンを行うためには、データを収集するツールが必要です。抽選を自動で実行するインスタントウィンの仕組みもありますが、高額なツールになるため、一般的なリポストキャンペーンでは、socialdogを使います。
クロスメディア
クロスメディアとは、複数のメディアを戦略的に組み合わせて行うマーケティング手法です。
例えば、テレビ番組を見ながらX(Twitter)が閲覧されます。自社が取り上げられているテレビ番組中にXを使ってキャンペーンを行うと、多くの人からの注目を集め、購入・来店動機に結びつけることができます。
まとめ
SNS集客は、ウェブ集客の中では難易度が低い集客方法です。戦略も多岐に分かれていますが、精度の高い広告を運用しつつ、集客ができるアカウントを育成することができる点がメリットです。
SNSは大勢の人にリーチすることができますし、精度の高い広告が用意されています。第三者が開発したキャンペーンアプリなどを活用すると、リポストキャンペーンのようなキャンペーンも開催できるため、SNSを集客で活用できる幅は非常に広いです。
集客のかちプロジェクトでは、SNSの育成のコンサルティング・代行のサービスを提供しております。
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