飲食店がキャッシュレス決済を導入するメリットとデメリットとは?おすすめのPOSレジアプリも紹介

飲食店に限らず、現金払いではなく、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレスで支払いが行われる割合が高くなっています。飲食業界では、2021年に経済産業省が行った「キャッシュレス決済 実態調査アンケート」によると、飲食店の85.4%がキャッシュレス決済を導入しています。
飲食店の中では、キャッシュレス決済について「手数料がかかる」「入金が遅いため経営が回らなくなる」などのデメリットの部分ばかり注視してしまい、導入メリットについて見えていないオーナーも少なからず存在します。
ここでは、飲食店が、キャッシュレス決済を導入するメリットやデメリット、そしてキャッシュレス決済の導入方法を解説したいと思います。
キャッシュレス決済を導入しなければならない理由とは?
日本は、今後のキャッシュレス決済比率を約80%の目標を設定しており、2020年段階で、3回に1回の決済はキャッシュレスで支払われているところまで来ています。
これは、現金以外に財布を持っていることを意味しており、キャッシュレス決済に対応をしていないと、キャッシュレス決済を好んで使っている顧客を集客できないことを意味しています。
日本のキャッシュレス比率は約30%であり、今後も割合が高くなる。

経済産業省の「キャッシュレス更なる普及促進に向けた方向性」によると、2020年には、日本のキャッシュレス決済比率は、32.5%となりました。また、2025年度までには、キャッシュレス決済4割、将来的には、80%を目標値に設定されています。
つまり、現状でも3回に1回は、キャッシュレス決済が選択されていることから、キャッシュレス決済を導入していないと機会損失につながることを意味しています。
約5割の顧客はキャッシュレス決済未導入の店舗を避ける。

キャッシュレス決済を未導入の店舗は、「避けることがある」と「可能な限り避ける」の選択肢を選んだ人は、全体の約50%です。つまり、約半分が、キャッシュレス決済が導入していないことで店舗での買い物を避けることがあると答えています。
飲食店が導入すべきキャッシュレス決済とは?
キャッシュレス決済の中でよく使われている決済方法は次の通りです。
- クレジットカード
- 電子マネー(交通系電子マネーやWAONやnanacoなどの商業系電子マネーなど)
- アプリ決済(PayPay、d払い、au払いなど)
- デービットカード
クレジットカードは使用率が高く、アプリ決済にもわりかん機能などが搭載されています。都市部では交通系電子マネーの利用率が高くなり、必然的にイオンモールの中ではWAONの使用率が高くなります。
そのため、地域によって、よく使われるキャッシュレス決済が異なりますが、タブレットPOSレジを導入すると、各社の決済サービスを導入することができますので、簡単です。
飲食店がキャッシュレス決済を導入するメリットとは?
会計が円滑になり、ミスが少なくなる。
現金払いでは、お金を数えること、現金を受け取ること、お釣りを渡すことが発生します。この時に、わりかんだった時は、それぞれで別の会計を行わなければならず、時間がかかりますし、お金の数え間違いが起こることもあり得ます。
キャッシュレス決済を導入することで、現金の受け渡しを省略することができます。また、アプリ決済のわりかん機能を使うことで、お客様側でお席にいる時に、金額のやり取りを行い、レジでの会計の時間が短くなります。
レジ締めが楽になり、安全性が増す。
複数のキャッシュレス決済を導入すると、現金以外でのお支払いの割合が高くなります。これによって、レジの中に入れる現金の総額が少なくなり、レジ締めもかなり簡単になります。そのため、従業員の無駄な作業を節約することができ、結果的に人件費も削減することができます。
また、現金が少ないので、盗難の被害にも遭いづらく、安全面を増すことができます。
客単価を上げることができる。
特に会社の会合などでは、経費で決済をするためにクレジットカードを利用します。顧客単価が高く、参加人数も多い宴会客の獲得を目指すのであれば、キャッシュレス決済の導入が不可欠です。
また、現金払いの時は、財布の中身の金額を心配しますが、キャッシュレス決済では、その心配がありません。そのため、注文を渋ることも少なく、顧客単価を上げることができます。
集客が有利になりやすい。
キャッシュレス決済では、それぞれに特典がついています。たとえば、クレジットカードでは独自のポイントが貯まりますし、アプリ決済では、PayPayの地域応援キャンペーンなどがあります。
顧客は一番お得な決済方法を選択しますので、該当のキャッシュレス決済を導入している飲食店を選ぼうとします。その時に、アプリ決済であれば、アプリの機能から決済を導入しているお店を探すことができますので、集客に有利になります。
飲食店がキャッシュレス決済を導入することで受けるデメリットと解決方法
決済手数料がかかる。
キャッシュレス決済には、決済手数料がかかります。この手数料は、飲食店側が支払います。
そのため、決済手数料のかからない現金を頑なに選択してしまいがちになりますが、前述の通り、すでに、3回に1回の決済はキャッシュレス決済であり、将来的には8割を目標値に設定されています。現金にこだわることは、10人に3人の顧客を切り捨てていることになるため、集客に苦労することになります。
キャッシュレス決済にかかる費用は、価格に上乗せすることが基本です。近年の物価高に合わせて、手数料分の3〜4%分を上乗せしましょう。
入金サイクルが支払いに影響する可能性がある。
キャッシュレス決済の問題点は、現金のようにその場でキャッシュのやりとりをしているわけではなく、確定した売上が入金されるまで期間があります。この期間を入金サイクルと呼び、入金サイクルが長いほど手元に現金がないため、支払いが困難になります。
以前までは、「当月締め翌月末」の長い入金サイクルが基本でしたが、最近では、キャッシュレス決済の入金サイクルはサービスごとに異なります。
サービス | 入金サイクル |
---|---|
エアペイ | 月3〜6回(振込先の銀行がメガバンクの時は6回) エアペイQRは、月末締め翌月末1回 |
square | 最短翌日振込(三井住友、みずほ銀行への振込が最短) 水曜日締めの金曜日支払い(上記以外の銀行への振込の場合) |
stores決済 | 月末締め翌月10日振込(自動) 手動による入金依頼から2営業日以内 |
スマレジPAYGATE | 月2回 QR決済は、月末締めの翌月末払い |
入金サイクルが気になる時は、入金サイクルの短いキャッシュレス決済を導入しましょう。ただし、キャッシュレス決済は、連携できるタブレットPOSレジが決まっています。そのため、タブレットPOSレジに求める機能も考えて選ぶようにしましょう。

飲食店がキャッシュレス決済を導入する方法とは?
飲食店がキャッシュレス決済を導入する方法には大きく分けると2つあります。
- キャッシュレス決済各社に直接申し込み
- タブレットPOSレジなどを導入し、キャッシュレス決済をまとめて導入
キャッシュレス決済各社に直接申し込む
導入したいキャッシュレスサービスを選択し、直接申し込みます。たとえば、人気のアプリ決済のPayPayやd払いに直接申し込みます。
直接キャッシュレス決済を申し込むメリットは、手数料をまとめて契約する時よりも安く抑えることができます。デメリットは、レジに統合することができないので、支払い用のPOPなどが増えてしまい、レジの周辺が煩雑になります。
PayPay

日本では、5,500万人(2023年2月7日)が使っているアプリ決済です。抽選や地域応援のポイントバックキャンペーンなども行っており、集客にも強い。PayPayはコンビニ最大手であるセブンイレブンの公式アプリの決済方法であることもあり、よく使われています。そのため、少なくともPayPayには対応しておく必要があるでしょう。
d払い

d払いの利用者数2,526万人(2022年12月)が使っているアプリ決済で、メルペイと統合されています。つまり、メルカリユーザーが含まれており、ドコモのDポイントやメルカリの売上金を使ってもらうことができます。
タブレットPOSレジを導入する。
タブレットPOSレジを導入することで、複数のキャッシュレス決済をまとめて契約し、専用のスキャナーなどで読み込みます。そのため、メリットは、スペースを節約し、会計の手間をかけずに済みます。デメリットは、手数料が直接契約の時よりも高めにかかります。

なお、飲食店におすすめできるレジは以下の通りです。
飲食店におすすめのタブレットPOSレジとは?

タブレットPOSレジは、決済だけではなく、注文や労務の管理、会計システムとの連携で労働生産性を向上させることも可能です。
なので、「キャッシュレス決済をただ導入したいから〜」ではなく、連携できるシステムなどを参考にした上で、導入するソフトウェアの組み合わせも考える必要性があります。
Square レストランPOSレジ

Square決済と連携できる高性能なPOSレジアプリです。Square決済と連携することができ、利用料は無料から導入することができます。テーブル管理、メニュー管理、オーダーエントリーシステムといった飲食店の運用では必要な機能を網羅して利用することができます。また、キッチンディスプレイシステム(KDS)を導入することで、メニュー名、数量、トッピングなどを画面で一目で確認することができます。
また、Squareで用意されたオンラインストアなどを利用することで、物販も行えます。