雨や台風の日の飲食店の集客の対策とは?

日本の天候不良は、1年の3割ほどだと言われています。飲食店の集客は天候不良の日に大きく影響を受けます。もし、天候不良の日の対策を行わなかった時には、年商では最大で3割程度の影響を受けることにもなりえます。

そこで、飲食店がとるべき、雨の日や台風の日の集客の対策について取り上げたいと思います。

目次

飲食店の雨の日の集客の対策とは?

飲食店では、雨の日の売上に関しては、店舗がどこにあるのかで変わります。例えば、駅の近くのお店では、ダイヤに影響がない降雨量であれば、雨宿りを目的に混み合うケースがあります。その逆に歩いて10分以上の距離などの立地では、この需要を取り込むことができないので、集客が減少します。

雨の日の飲食店の対策としては以下のことが挙げられます。

①予約して来店してもらえるようにする。

飲食店の集客は、予約による来客とたまたま通りがった来客に分かれます。通りがかりの来客は、雨の日には早く帰宅しようとする方に働くので、一般的には大きく減少します。つまり、予約による来客を増やすのが雨の日の集客の減少を最小限にする方法です。

予約数を増やすための方法には、ターゲットとして合致するグルメサイトでネット予約を増やすか、直接の予約を増やすかのどちらかになります。グルメサイトでのネット予約は送客手数料がかかります。そのため、リピーターの集客は特に直接予約を受け付けたいため、LINE公式アカウントに予約システムを連動させるなどを行い、直接予約の受付率を高める工夫を行います。

②雨の日限定の特別サービスを提供する。

雨の日に来店するお客様に対して、特別なサービスを提供することで、雨の日の来店動機を付与して、集客数を増やします。

雨の日のオーダーのデータを蓄積していれば、オーダーが減るメニューが明確にわかります。そのメニューに使う材料の仕入れは雨の日の予報の時に減らすべきですが、減らすことができない時には、付加価値として提供します。たとえば、雨の日の予報が出た時に、LINE公式アカウントなどで特定のメニューを半額にすることをメッセージで送信します。

天候に大きく売上が影響を受けてしまう店舗では、雨の日限定の来店動機を作ることが重要です。LINE公式アカウントやSNSなどのコミュニケーション手段を育成していないと、顧客に伝達する手段がなくなりますので、自然とお友だち(フォロワー)が増加するような対策をとっておきましょう。

これにより、お客様は「雨だからどこにも寄らずに自宅に帰ろうと思っていたけど、サービスがあるのならちょっとあの店に寄っていくか」と考え、店を訪れる可能性が高まります。

③雨の日のおもてなしを強化する。

雨の日に来店したお客様に対して、特別なおもてなしを提供することも重要です。例えば、雨で濡れたお客様には白いタオルを提供したり、傘がないお客様のために使い捨てのビニール傘を準備したりするなど、細やかな配慮をすることで、お客様の満足度を高めることができます。傘を貸した場合、一定の確率で返ってくるため、次回の来店動機になります。

台風や大雨の集客の対策とは?

外出の危険性がある時には、リモートワークに切り替えることが可能な企業も増えています。そのため、繁華街の駅近の立地では、雨宿り需要で混雑する可能性がありますが、それ以外の立地では休業ないし仕入れを減らし、スタッフも最小限にした営業を行うことが無難です。

株式会社EBILABの来客予測サービスは、過去の売上データやイベント情報、天気データなどを基に、未来の来客数を独自のアルゴリズムで予測します。このサービスは、在庫管理の簡易化、発注タイミングの最適化、シフト最適化による人件費削減などのメリットがあります。また、平均的中率は95.7%と業界最高水準で、翌日予測、45日予測、365日予測などの機能を備えています。

雨の日でも混雑が予想される店舗は通常営業

特別な営業を行ってしまうと、現場がパニックになる恐れがあります。特に変わった営業は行う必要がないと思います。また、お店によっては台風で勝手に休みにしてしまうアルバイトがいたりしますので、事前に営業することを連絡して人員の確保ができるようにしましょう。

雨の日にノーゲストが回避できない店舗

雨の日に来店客が数えるほどしか来ない状況の飲食店は、通常影響を行うメリットがありません。また、台風や大雨の日に無理に営業するメリットもないため、雨の日には特別営業、台風や大雨の日は休業を原則にするのが良いと考えられます。

①雨の日にフードデリバリー中心の営業にする。

雨の日は、買い物が減り、ネット通販の取引量が増加します。そこで、イートインを事前に制限し、テイクアウトとフードデリバリー中心の営業に切り替えます。出前館やUbereatsなど登録者数の多いフードデリバリーサービスを複数使い、可能な限り、配達員が確保できるようにしましょう。

②ホームページやSNSで休むことを告知

営業を行っていないことを知らせる必要性があります。文言は自由ですが、台風が直撃することでお客様に迷惑をかけてしまう可能性があることを言及しましょう。

台風や大雨で洪水してる日などに休業することを伝えるテンプレートは以下のような文言を使うのが良いでしょう。

台風の日の休業のお知らせ

【重要なお知らせ:台風に伴う営業休業のお知らせ】

いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

この度、台風の接近に伴い、お客様およびスタッフの安全を最優先に考え、誠に勝手ながら当店は休業とさせていただきます。

皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

台風が過ぎ去り、安全が確認でき次第、営業を再開いたします。再開日時については、当店のウェブサイトやSNSをご確認ください。

皆様の安全を心よりお祈り申し上げます。またのご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております。

大雨の日の休業のお知らせ

【重要】洪水による休業のお知らせ

いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。

本日は、大雨による洪水の影響で、お客様とスタッフの安全を最優先に考え、残念ながら営業を休止させていただくこととなりました。

皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

天候が回復次第、通常通りの営業を再開する予定です。再開の際には、当店のウェブサイトやSNSを通じてお知らせいたします。

皆様の安全を願っております。何卒よろしくお願い申し上げます。

③常連客に感謝の手書きのハガキを書く。

ひどい台風の場合、外には出たくありません。

こういった時ぐらいしか、まともにハガキを書くことができないと思います。常日頃の感謝の気持ちや近況を添えて、手書きの手紙を送付するのも、リピーターとの関係性を深める効果があり、平常時の営業の集客を下支えします。

BCP(事業継続計画)を作っておく

自然災害が全国各地で頻繁に起こっています。

地域で甚大な被害を被ってしまえば、当然顧客も動きませんし、店舗が崩壊してしまったあとでは、ノープランからの立ち直りでは時間がかかってしまうことになります。

そこで、BCPを策定することが推奨されています。BCPとは、自然災害などが起こった場合、中核事業の操業を素早く復活させるための計画のことです。

中核事業が復活する道筋がなければ、事業が復活せずに事業規模を縮小するか、廃業に追い込まれるリスクが高まります。

BCPとは?(中小企業庁HP)

BCPを策定すると防災施設の完備に対するBCP融資や災害が起こった後の融資の優遇処置を受けることができるなどのメリットもあります。

BCPの策定については、中小企業診断士やミラサポなどの専門家派遣制度で重点的に対応が実施されていますので、興味のある方は、お近くの信用金庫もしくは全国商工会関連の団体にお電話でご確認ください。

最終更新日 : 2024年4月6日

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